メンター制度

メンター制度の学生側のメリット

メンター制度とは、ここ近年の企業内人事で多く使用されている新人教育のためのシステムです。

この「メンター」というのは直訳すると「指導者・助言者」ということになり、業務においては先輩や上司が若手について、社会人として必要な知識などを教えていくという仕組みのことを言います。
メンター制度とよく似たものに「OJT」がありますが、こちらは業務の方法に限定してトレーニングをしていくことになるのに対して、メンター制度はプライベートに関することについても一緒に考えていくというところが違いです。

学生を対象にした「学生メンター」を導入する大学も増えてきており、将来自分がどんなふうに働いていきたいかや、ライフステージをどのようにしていきたいか、ということを社会人となっている先輩に相談しながら決めていくことができます。
学生にとってのメリットは、学生からいきなり社会人としてデビューをするのではなく、社会人になるとはどういうことかということを先にシミュレーションしていくことができるということです。

ここ近年社会問題にもなっている新入社員の離職率も、それまで思い描いていた社会人生活とのギャップが大きすぎることが原因にもなっています。
自分の適性や仕事の方向性と、それを長く続けるためにはどういった進路を選ぶのがよいかということを事前に考える機会を持つことにより、就職時のミスマッチを防げるでしょう。

メンター制度の企業側のメリット

企業側にとっても、学生へのメンター制度は非常に多くのメリットがあります。

先にも述べたようにせっかく就職活動を通して優秀な学生を獲得しても、1年未満で退職をしてしまうようなことがあれば意味がありません。
企業にとって、どういう考えを持つ学生であれば長く勤務をしてくれるかを調べるためにも、メンター制度は非常に重要になってきます。

また、社会人メンターを行うことにより、学生以外の人と話し合うということに慣れてもらうことができるでしょう。
よく「最近の学生はちょっと叱っただけですぐ出社しなくなる」というような意見が聞かれますが、これはそもそも年上の人に指導をされたことがないということが関係してきます。

社会人メンターは仕事ばかりの指示・指導を一方的に行うのではなく、プライベートの相談にも乗るようにしているので、自分より年上の人にどのように接すればよいかを体験することにもなるのです。

失敗した経験とその改善策

メンターの方法にもいくつかの種類があって、企業が実施するメンターカフェやメンターフェアのようなものに参加をすることができます。

そうしたものは、基本的に学生に就職活動の前段階として、それぞれの企業に勤務する先輩の話を聞ける機会のために設けられているのですが、私が利用した時にはつい遠慮をしてしまって聞きたいことを積極的に聞けず、あとから後悔したことがあります。

せっかく与えられたチャンスなので、メンターでは思い切って自分をさらけだすくらいの堂々とした気持ちで臨むのがよいでしょう。