
社会人の言葉遣いのマナー
新入社員が働き始める頃になると、年配の社員から愚痴などが聞かれるものですが、中でも毎年のように聞かれるのが「若い人は敬語を知らない」というものです。
そういう年配の人たちが若い頃に完璧に敬語を使えていたのかというと疑問ですが、学生にとって正しく敬語をマスターすることのハードルの高さは今も昔も変わりません。
就職活動をする前にも、セミナーや模擬面接でみっちり敬語についてはレクチャーを受けますが、それでもとっさのときにすぐに敬語が出るかどうかはわからないでしょう。
本番さえうまく乗り切ればいいだろうと安易に考えてしまう人もいますが、敬語やビジネスマナーというのは、付け焼き刃で臨んでいるとすぐにボロが出てしまいます。
普段から年上の人と接する時には敬語を使うようにするとともに、おかしな敬語については友達や家族同士指摘しあえるようにしていきましょう。
敬語については小学校の国語でも習いますが、大きく「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」というふうに分類されます。
よくある敬語の失敗例は、この尊敬語と謙譲語の違いがわからずに起こってしまうものなので、まず場面ごとに誰が主語になるか、ということをしっかり考えてみてください。
わかりやすい例としては、「食べる」の尊敬語は「召し上がる」ですが、謙譲語は「いただく」となります。
料理を出されたときに自分で「では召し上がります」と言ったらおかしく感じると思いますが、そうした使い方をしている例はたくさん見られるものです。
同じようなものとして「話す」に対して尊敬語が「おっしゃる」なのに対し、謙譲語は「申す」です。
受け取った人がおかしく感じるのは尊敬語と謙譲語の間違いが最も多いので、十分に基本をマスターしておきましょう。
気を付けるポイント
就職活動中は電話や書類で何度もやりとりをすることになりますが、そのときに多く登場する語句については十分に気を付けておかなければいけません。
例えば自分のことを示すときには「私(わたし、わたくし)」で必ず統一します。
男性の場合は特に「僕」や「自分」といった言い方をしてしまいますが、就職活動においては「私」とするのが一般的です。
もう一つよくあるのが「貴社」「御社」といった言葉です。
相手企業から案内を受けるときには「弊社では~」といった言い回しをされますが、これは自分たちをへりくだって示すときに用いる言葉です。
面接などでよくある逆質問として、「弊社ではどのようにお考えですか?」といった言い方をするのは目線が上からになってしまい、大変に失礼で悪印象になってしまいます。
失敗した経験とその改善策
私も最初に受けた面接ではカチカチに緊張してしまい、自分を「僕は~」や、志望動機で「当社の社風が~」と言ってしまうなど、散々に失敗しました。
何度か面接をこなしていくうちに、スラスラと敬語を使えるようになりましたが、最初からマスターしていれば選択肢はもっと多かったな……と考えてしまいますね。
敬語の間違いをしないようにするには、とにかく慣れることと場数を踏むことですので、繰り返し練習しましょう。