中小企業診断士の概要
ビジネスマンが、ぜひ取得しておきたいと考えている資格の一つが「中小企業診断士」です。
中小企業診断士というのは企業の経営に関わる知識を幅広く身につけているスペシャリストのことで、キャリアアップしたい人や、将来は独立開業を目指している人などにはぴったりの資格です。
会社というのは、ヒト・モノ・カネ・情報・法律・外部環境の6つの経営資源を配分することによって経営が成り立っています。
経営資源をいかに適切にマネジメントして配分するかで、会社のあげる利益は大きく異なってきます。
中小企業診断士の仕事は、限られた経営資源をどれだけ有効に活用できるかを分析し、会社に最大の利益をもたらすことだと言っていいでしょう。
中小企業診断士試験の内容と難易度
中小企業診断士は「中小企業支援法」に基づく国家資格です。
資格を取得するためには、一次試験と二次試験に合格し、実務補習と実務従事をクリアする必要があります。
一次試験は、企業経営やコンサルティングについての基本的な知識についての問題が、マークシート形式による四肢択一または五肢択一で行われます。
年齢・性別・学歴等の受験資格制限は特になく、毎年8月に国内各地の試験会場で試験が開催されています。
試験時間は510分、2日間にわたって開催されます。
試験科目は「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理(オペレーション・マネジメント)」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」、科目合格基準は満点の60%を基準としています。
7科目のすべてに3年以内で合格することで、1次試験が合格となります。
二次試験は筆記と口述から構成されており、試験時間は筆記試験が320分、口述試験が約10分です。
二次試験に合格したら、3年以内に実務従事・実務補習を受けなければなりません。
実務補習は登録実務補習機関によるものと中小企業基盤整備機構、都道府県等中小企業支援センターにおける実務補習の2種類があり、1コースは5日間もしくは15日間で設定されています。
実務従事は国・都道府県等、中小企業基盤整備機構、または都道府県等中小企業支援センターが行う診断・助言業務などの形で行います。
中小企業診断士の資格を取得するメリット
日本国内にある企業の99%までは中小企業ですから、中小企業診断士の需要は非常に大きいということができます。
中小企業診断士の資格を取得しておけば、中小企業に勤めて「企業内診断士」として活躍することもできますし、独立して企業診断士として働いていく道も開けます。
中小企業診断士は、単独で働くというよりは税理士や社会保険労務士などと協力し、より良い環境を作り上げることが仕事ですので、コーディネーター役としてより広い世界で活躍していくことも可能です。