宅地建物取引士の概要

宅地建物取引士の資格は、日本で取得できる国家試験の中では最大規模の資格と言われています。
年に1回受験が開催されますが、受験者数は毎年20万人前後もいます。
この資格は不動産取引に関して専門的な知識やスキルを持っていることを示すもので、この資格がなければ行うことができない「重要事項の説明」や「37条書面への記名」「35条書面への記名」などの業務を遂行できます。

この資格を取得すると、不動産業界をはじめ、建設業界や金融機関、不動産管理会社などでの就職が有利となります。
そのため社会人だけでなく学生の受験者も多く、卒業前に資格を取得する人も少なくありません。

宅地建物取引士の試験は、毎年10月ごろに開催されます。
47すべての都道府県で開催されますが、毎年必ず同じ試験会場というわけではなく、変動することもあります。
そうした告知が6月に実施され、7月には受験申込がスタートします。
10月試験の合格発表は11月に行われます。

宅地建物取引士の試験内容と難易度

宅地建物取引士の試験は、4択のマークシート方式です。
間違えやすい問題は多いものの、しっかり準備すれば合格することは十分に可能です。
1問1点で問題は50問が出題され、50点満点での計算となる点が特徴です。

宅地建物取引士の試験は、何点以上を獲得すれば合格になるという絶対評価試験ではありません。
合格率を調整するために相対評価が採用されています。
そのため合格率は試験の難易度に関わらず、毎年15%~17%程度に維持されています。

宅地建物取引士の試験は、不動産取引に関する各種の法律や法令が幅広く網羅されます。
50問中14題は民法に関する問題が出題され、試験の中でも最難関です。
しっかり準備をしても満点を取ることは至難の業のため、点数に差がつく分野と言えます。

20問出題されるのは、宅建業法の分野です。
法規やルールに関する内容で出題範囲は広いため、準備には時間がかかりそうです。
その他、法令上の制限に関する問題は8問で、これは大半の受験者が苦手とする分野です。
またそれ以外にも税金や不動産の安全性などに関する問題が8問、出題されます。

宅地建物取引士を取得するメリット

宅地建物取引士資格を取得すると、就職や転職で有利になるというメリットが期待できます。
人気の高い資格ですが合格率はそれほど高くありません。
そのため、企業にとってはこの資格を持つ人材を喉から手が出るほど欲しいのです。

また、不動産業で独立したり、キャリアアップの実現可能性も高めてくれるでしょう。
この資格と司法書士、不動産鑑定士などの資格を組み合わせると、対応できる業務の幅を大きく広げられます。