ITパスポート試験の概要
俗に「iパス」と呼ばれているITパスポート試験は、ITを利活用するすべての社会人だけでなく、これから社会人になっていく学生が事前に備えておくべき、ITについての基礎的な知識を持っていることを証明することのできる国家試験のことです。
社会の隅々にまでITが浸透した現代、どのような業種・職種にあってもITに関する総合的知識は必要不可欠です。
iパスは2009年にスタートして以来、多数の人が受験してきました。
学生の受験者も多く、在学中の学校別割合は大学が52%、高校が24%、専門学校が17%となっています。
情報処理技術者試験には全部で12の区分があり、ITパスポート試験は「レベル1」に区分されています。
情報処理技術者試験には以前、「システムアドミニストレータ試験」というものがあり、これが廃止され、IT科目の入門編の資格がITパスポートに統一されました。
ITパスポート試験の大きな特徴は、国家試験で初めてCBT方式と呼ばれる試験方法を採用したという点です。
「Computer Based Testing」の頭文字であるCBT方式では、試験の全行程をコンピューター上で終わらせることができるのが特徴です。
全国一斉で試験を行う必要がなくなり、受験者の随時受験が可能になりました。
ITパスポート試験の内容と難易度
ITパスポート試験の試験時間は120分、出題数は全部で100問です。
出題形式は4肢択一式となっており、ストラテジ系(経営全般)から35問程度、マネジメント系(IT管理)から20問程度、そしてテクノロジ系(IT技術)から45問程度が出題されます。
採点方式はIRT(Item Response Theory:項目応答理論)で、解答結果から評価点が算出されます。
試験はすべての都道府県で毎月実施されていますので、試験日時や会場を受験者の都合に合わせ選択することができます。
受験申し込みは試験前日の正午まで可能で、試験の成績も試験当日中にWebサイトから確認することができます。
ITパスポート試験を受験するメリット
ITパスポート試験は専門性の高い国家試験とは違いますので、SEなどの専門職を目指している学生であれば、より上位レベルの資格を取ることをおすすめします。
この試験に合格しているということは、セキュリティに関する一般的な知識も有しているということですので、就職の際には有利になることがあります。
ITパスポート試験を受けるために勉強をすれば、ITの分野に関する全般的な知識が身につくだけではなくて、さまざまな分野に応用することができます。
営業職は顧客のニーズ分析に活用ることができますし、総務や人事でも業務の効率化に役立ちます。
いわば、「潰しのきく」資格ということができるでしょう。